Grumbling of ane's mind

はぁ~・・・とため息をつくような心のボヤキをありのままに。姐の裏側を少し(笑)

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■ お別れ

あっと言う間の出来事だった。
人の命はこんなに簡単に奪われるものなのかと、愕然とした。
でも、本当は簡単にではなく、彼はずっと闘っていたんだ、あの日まで生きるために。




約1年半ぶりに病室で会ったダイバーの彼は、別人のようだった。
小麦色に焼けて鍛えていた逞しい腕も、ちょっと茶髪に染まった清潔にカットされている髪の毛も、そこには無かった。眼をそらしちゃいけない、と思いながら正視できるようになるまでに少しだけ時間がかかった。
それでも、変わらないもの。
それは彼の眼差しと、温かい手のぬくもりだった。
彼の眼を見ながら話をしているうちに、楽しかった日々が思い出され、いつの間にか目の前の人は、変わらぬ彼のように映った。
帰り際に枕元に近づいて手を握ると、彼は姐の手をぎゅっと握ったまま、その病室にいた皆に語りかけていた。
姐は泣かないで、彼の眼を見てうなづくことに精一杯だった。
その夜、一緒にお見舞いに行った人達と泣いたり笑ったりしながらお酒に溺れた。


その翌日、もう一度、病室で彼に会った。
「もう泣かない」と決めていた。病室に入ると彼はちょっと驚きながら、姐と一緒にお見舞いに行った人達を見ると相好をくずした。嬉しそうだった。
そんな彼の枕元で、「今日はまた別の人を連れてきたよ。調子はどう?」と聞くと、姐にだけ聞こえる声で「ん・・・あと2-3日ってとこだろうな」と呟いた。
この日の彼は、よくしゃべった。ダイビングと海の話をいっぱい。姐の人生についてちょこっと。会えない間、心配してくれていたんだろうなって思う。
姐は「今、xxちゃんとか、xxさんとか、xx君とかに連絡取ってるから。みんな来るから、まだ元気でいて。」と言い、「こんな時まで名幹事でしょ?」と言うと、彼は嬉しそうに「おぉ、そうだな」と言って笑った。
いっぱいしゃべった彼がちょっとうとうとし始め、眠そうになった頃、帰ることにした。帰り際、皆の最後に病室を出た姐は、もう一度振り返り彼の顔を見た。眠いと言ったはずの彼は、窓の外をじっと眺めていた。3歩位近寄って「また来るね」と言うと、顔を半分だけ振り返り手を上下に振ってにっこりと笑った。
姐からは顔の右半分、笑った目じりの皺が見えた。


それが生きている彼に会った最後になった。



その日からちょうど2-3日、彼は息を引き取った。もう一度お見舞いに行こうと思っていたその日だった。会えなかった。



それから。

ご遺族の「ダイビングのお友達で賑やかに見送ってあげてください」というお言葉を受け、姐は彼のための最後の幹事に忙しくなった。
思いつく限りのバディ達に連絡を取った。そう難しくはなかった。連絡はすぐに広まり、葬儀関連の参列者連絡はすぐに姐のところに集まってきた。

彼が元気だった頃、姐は沢山海に連れて行ってもらった。皆が集まるところに連れて行ってもらった。彼の話を沢山聞いた。仕事のこと、友達のこと、ダイビングのこと。
ハワイにも連絡を取った。会ったことも話したこともない人だったけど、彼にとって大切な人だということを知っていた。その人はすぐに弔文を送ってきた。
これが彼のために出来る最後の恩返しだと思って、出来る限りの術を尽くした。

「泣かないでください」という奥様の言葉を守ろうと、ともすれば出そうな涙を止めてきた。斎場に彼の写真を皆で飾り、懐かしい話をして、笑っていた。お通夜、告別式の受付もしっかりやった。

お通夜の後、ダイバーみんなで「偲ぶ会」をやった。姐は「今日は泣かないでください。泣いたら1000円罰金よ~!」と言い、みんなも頑張った。懐かしい写真を持ちより、まるで同窓会のようだった。彼が懐かしい面々をこうして引き合わせてくれた、と皆が思っているようだった。

そして、彼が最後まで心配して気にかけていたこと。
その事が解決した。何度もその話を聞いていた姐は、その瞬間、涙が出た。嬉しかったのと、その様子を彼に見せることが出来なかった悔しさ。誰もが心配していたけれど何も出来なかったこと。結局は彼がなし得たんだという事実。彼の偉大さは計り知れない。


彼の旅立ちを見送るまで、泣かずにいようと思っていた姐。

だけど。

納棺で彼にお花を飾る時。皆で書いた色紙を入れる時。2人で潜っている写真を棺に納める時。
その時初めて見た彼と、冷たくなった頬に手を触れた時、もうだめだった。
「イヤだ、イヤだ・・・」と言って号泣した。何が何だかわからなくなった。立っていられなくなって、一緒にいてくれた人の腕につかまった。ただただ「イヤだ・・・」と言って泣く姐の肩を優しく撫でてくれた。姐は取り乱していた。

その時、奥様が近寄ってきて「泣いたらだめ!泣かないで・・・」と、姐は叱られた。
その一言で姐は自分を取り戻した。そう、泣かないって決めたんだ。
彼が「こういう時、姐は結構ダメだからなぁ~」と言って笑ってる気がした。


火葬場に行き、骨上げにも15名程のダイバーが参列した。
姿が消えてしまった彼の骨を拾った。不思議な感じがした。


全て終わり骨壷を持った奥様がご挨拶をされた。
力が抜けた。もう、彼のために出来ることは何もないのだ、と実感した。
少しだけ、涙が出た。






ちょうど2週間前の夜、彼からのちょっぴり弱気なメールに、姐が送ったいつもの口調の「らしくないぞ!」的なメールに、彼からの返信は「ありがとう」だった。
そのメールを受け取った時、「そうだ、彼の着メロは、彼が好きだったTSUNAMIにしておこ♪」と設定をした。

結局、その着メロが二度と鳴ることはないまま、彼は逝ってしまった。



姐のダイビング人生はこの人との出会いで始まったんだ。
彼と出会えなければ今の姐はない。断言。






週が明け、容赦なく日常は戻ってくる。
いつもの時間に起きて、出社の準備。
休み続きで溜まったメール、チェックしなくちゃならない資料・・・

会社に来ると、机の上にスヌーピーの「JOE COOL」人形。
サングラスを小生意気にかけたその姿が、彼に似ていると何かのお礼にプレゼントしたその人形。彼にあげたそれは、どこにあるんだろう。

でも、彼はいないんだ。



さようなら、おヒゲのバディ。
私たち、自他共に認める“名コンビ”だったよね。
姐は心から“アナタは不死身だ”って信じてたよ・・・
だから最初に病気のことを聞いてからも、心配もしてなかった。いなくなるなんて全然思っていなかった。
「アナタから教わったダイビングの色々を、ずっと守って潜り続けていく」って、今は約束が出来なくてごめんね。

ありがと、大好きだったよ。
彼との出会い
最後に一緒だったダイビング
彼にもらった沢山のもの



今は潜れないのが幸い。
いつかまた、水中で彼の姿が見られないことを実感するのだろうか。
想像するだけで、つらい・・・











色んなことがありすぎて、心が疲れている。
少し、休みたい・・・・
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